◇MOTHERシリーズ プレイ感想◇


MOTHERシリーズ全体感想
遅ればせながら、ずっと気になっていたマザーシリーズ(GBA版)を3作プレイ。
1も2も3もどこか気と間が抜けたテキストや世界観が軽妙で、かと思って油断していると時折冷や水ぶっ掛けられるようなイベントや本気で目の潤む演出が待ち構えているのがとっても面白かったです。
3作それぞれ光る部分がありますが、
ゲームとしての魅力がたっぷりなのは2
物語に牽引力があったのは3
ラストバトルの演出とテーマ曲の扱いが綺麗なのは1
って印象だったかなぁー。

GBA版MOTHER (2008/08/08)
♪ラララララ〜・ラララララ〜・ララララ〜ラ〜・ララララ〜〜
♪ラ〜ラ〜ラ〜ラ〜・ララララララララ・ラララララ〜ラ〜・ラ〜ラララ〜

の旋律がしばらく頭を離れてくれそうにありません。
気がつくと口ずさんでいます。
良い歌だなぁ・・。うん、良い歌だ。

このゲーム、FCからGBAへの移植にあたって多少手を加えてはいるみたいですが、基本はFC版と変わらないのでしょうか。
89年発売となると、私がプレイしたRPGの中では一番古いゲームになるはずです。
20年近く前のゲームでも、遊び出したら普通に遊べるものですね〜。
携帯機だったので見栄えとか大して気にせず入れたのかもしれないですが。

ただしゲームバランスに関しては今のゲームに慣れているとちときついですね。
エンカウントバランスとか敵の強さとか経験地設定とか次の目的地とかフラグ立てとかアイテムや必殺技の効果説明とか・・・今のゲームの親切設計が身に染みます(笑)。
家を出て初っ端から「え、これから何するの??」状態だったり、次の目的地と思われる方角へ一歩踏み出した瞬間に雑魚に瞬殺されたり、村人がうわさするポイントへ遥々遠くから出向いてみたらフラグが立ってなくて先へ進めず遥々来た道逆戻りだったり・・・ネットと攻略サイト様々がなかったら早々に挫折していたかも・・。
久々にレベル稼ぎにも精が出た・・・と申しますか、骨が折れたと申しますか。
戦闘で時の運的要素が強いのも心臓に悪いよ・・!
レベル稼ぎなどをしているうちに、ディフェンス上げてから挑みたい敵、まず先に魔法封じときたい敵、逃げるが勝ちな敵、なんてのも判別ついてくるんですけど。
とりあえず、どの敵にも「たたかう」コマンド一辺倒で挑むというのはなかなか難しそうですね。
戦闘が単調作業にならないのは良いこと・・かしら。

舞台設定やネーミングセンス、敵のグラフィックなんかに見られる独特のシュールさコミカルさはツボにはまりますねー。
セーブが電話だったり収入が仕送りだったりショップがデパートだったり武器がバットやフライパンだったり魔法じゃなくて超能力だったり電車に乗らなくても歩いて世界が巡れたりエトセトラエトセトラ・・・攻略やシナリオとは直接関わり無い細かい設定が面白いです。
スタッフロールの「PLAYER」欄の小粋さにも惚れたよ!

「エンディングまで泣くんじゃない」というキャッチコピーや泣けるという感想をちょこちょこ目にしたりしてましたが、終盤も終盤の最終盤になるまでこのストーリーのどこで泣くんだろ〜と他人事のように思ってました。
が、8メロディー揃えた主人公の歌→クイーンマリーの歌のコンボでなぜだか無性にジワッっときて、ラスボス戦の♪うたうでこれまたなぜだかほろりほろり。
すみません・・・ED前に泣きました。自分でもなんで泣いたかわかんない・・・。
歌は・・良いですよね。うん、歌は良い。

最終レベルは主人公33、アナ31、ロイド32。
主人公の名前はミー(妹がミニー・ミミーだったから・・・)、好物はシチューでした。

GBA版MOTHER2 (2008/10/28)
MOTHER1+2、1に続いて2もクリアしました。
歳を重ねたり数あるゲームをこなしたりしていくうちに、あるときふとホームシックにかかったように恋しくなるゲームかもですね。
(ちなみにパパに記録つけてもらうたんびにママにも電話掛けまくっていたもので、戦闘中にマザー2名物ホームシックに見舞われることはついぞありませんでした。罹りたくないような、もっと罹っとけばよかったような。)(街探索中にいつの間にか罹っていたことは一度だけあったんですけど。)

筋書き自体はオーソドックスなRPGなのに、なんとも奇妙で破天荒。
今プレイしても遜色を感じることなく新鮮な気持ちで楽しめました。

1をプレイしていてちとツライなぁと感じたこと(たとえば理不尽な敵の強さやゲーム進行の指針となる情報の少なさ)はほとんど改善されていて、かといって簡単すぎることもなく、戦闘もフラグ配置も実に良いバランスでした。
いざとなったらヒント屋さんやペンシルロケット20といった究極の救済もありますし(笑)。
仲間の少ない時期は敵が手強く全滅も何度も味わいましたが、レベルも程度良く上がりますしとりわけ苦は感じませんでした。
後半になると致命的ダメージもぼんぼん食らうわけですが、後半へ行くほどタイムラグ式被ダメージの戦闘システムやPSI、ジェフのマシンなどが活かされてきて戦闘が面白かったです。
終盤はジェフのアンチPSIマシン無しにはきっと生きてゆけなかった・・。
強いて難点挙げるなら移動ののんびり具合と持ち物欄がすぐいっぱいになってしまうことですけど・・・。

1ではエイトメロディーズ大好きですが、2のエイトメロディーズも良かったです。好き。
回想の中で流れる完成したエイトメロディーズにきゅんきゅんする。
村や街の音楽も全般大好き。
1をやったあとだったので、1の音楽がちょこちょこアレンジされて使われているのにもニヤニヤ。
もともと低頭身キャラやドット絵好きなのもありますが、グラフィックに関しても十分満足でした。
ネスの自転車乗ってるときやカメラに向かってポーズ取る姿、テレポートに失敗して丸焦げになる姿がたまらなく可愛い。

ストーリーはメインシナリオだけを追っていると主人公たちの会話の少なさなどから物足りなさを感じるかもしれませんが、行き違う村人一人ひとりに2度は声をかけずにいられない性分のプレイヤーにとってはテキストのボリュームといい台詞回しといい大変充実したゲームでした。マザーはモブに話しかけまくってなんぼですよね。
シュールな世界観がたまらない。
実は強制お使いイベントも多かったりするわけですが(いちごとうふとかビーナスちゃんのサインとか)お使いですら楽しかった。
ハッピーハッピー村とかムーンサイドとか無の修行とかの空恐ろしい雰囲気も良かったし、3分合言葉とか3番目に強いモグラとか地底大陸でのミニマム具合とかも面白かった。
2のマジカントと1のそれとの違いにはびっくりしましたが、マジカントのイベントも大好き。燃え。ブンブーンの墓にも感動。
ラストバトルの最後の祈りの演出はちょっとこっぱずかしかったですうへへ。
俺この戦いが終わったら布団に入るんだー!と思っていたのにPP尽きてアイテムも切れてあわやラストダンジョン一からやり直しー?!というとこだったのでかなりマジでネスたちの勝利を祈ってましたプレイヤー(^^;
決着後、自分の足で家路につけるというのも素敵な演出ですよね。
名残惜しくて家に帰るまでに世界一周しちゃったり、ね。
最後の最後のパパさんとの電話で無性に涙出ましたですよ。

最後に、3のネタバレを知っているとあの人についていろいろ考えてしまうわけですけど・・・・
これは、3をクリアするまで保留かな。
ちゅうもんしていた3が ゲームやさんからとどいたよ!

ラスダン突入時データで(実際ここから2,3レベル上がってると思いますが)
ネスLV.74、ポーラ64、ジェフ63、プー60
好きな献立:シチュー、かっこいいと思うもの:ライオンさん。

MOTHER3 (2008/11/07)
『奇妙で、おもしろい。そして、せつない』マザー3をクリア。
おわっちゃった・・・おわっちゃったよ・・。
さびしい・・。

3はシナリオや世界観など細かく語りたい部分があったのでちと長めです。

◆お話のお話。
ネタバレ知っててプレイし始めましたが、泣きました。泣けました。せつない。
重い展開に始まり重い展開に終わるお話なのに、悲しみや憤りの捌け口が見つからないのがつらくもどかしいわけでございます。
しようがないので泣いて発散するわけです。ホロリ。
でもあからさまに重いのは最初と最後だけで、その間は意外と明るいんですよね。表面的には、ですけど。
その表面的な明るさと底に潜む仄暗さとの違和感というかギャップというかが全編通して面白かったです。

◆フリント一家とマイホームのお話。
帰るたんびに空っぽのマイホーム。
枕が4つ、椅子が4つ。でもテーブルに並んだお皿は2組。
おかあさんがいるのはお墓。おとうさんの気配を感じられるのもお墓。あたたかく迎え入れてくれる人がいるのは我が家ではなく老人ホーム。
1→2→3とやっていると、このマイホームの存在感の変質が地味にこたえました。象徴的だなぁと思います。
ヒナワさんとクラウスは序盤にもう少し描写があったら良かったのになぁ〜。
クラウスと一緒に野山を探検して、疲れたらヒナワさんの手料理を食べて、っていうのを自分の操作で体感したかった・・。
フリントさんの存在感もお墓の献花や村人のわずかなセリフからしか感じられなかったのもちと寂しかった。
(雰囲気はぶち壊しだけど、ラスダンでのスキンヘッドなやり取りには笑いを通り越して愛おしさを感じました。)
対してボニーが最後までリュカの傍らにいてくれたのは素直に嬉しかったです。2のチビとはえらい違いだよ!
ちなみに1,2章ではここぞとばかりにモリモリNPCリュカに話かけまくってました。

◆ラストバトルのお話。
2のラストバトルにはそう来るかぁーーッ!!と衝撃受けましたし、3のラストバトルは涙駄々漏れで心の命中率下がる一方でしたが、やっぱりラストバトルは1が一番好きかなぁ〜。
3は仲間が完全に蚊帳の外なのがちょっと物足りなく感じてしまいました。
3のラスボスは実質ポーキーで仮面の男はイベントバトル扱いと考えればそれもありなんですけど。
それにしても・・耳を塞いだとか泣きたくなったとかどうしていいかわからなくなっているとか目を瞑ってしまったとか反則だよちくしょううわーん!それ泣けやれ泣けといわれてるようなもんですよ。案の定ぼろ泣きなわけですが。

◆かめんのおとこの話。
多くのプレイヤーは仮面の男が初登場した第5章の時点でその正体に見当をつけていたのではないかと思いますが、リュカはどこで気づいたかしら。と気になります。
確信を得たのはラスダンでのフリントのセリフでしょうけど、それまでにも薄々気づいていたのではないかと思うと・・・むーん。
仮面の男に関してはまったく言葉を交わさないのに存在感があって見せ方上手いなーと思いました。ブタマスクを通して間接的に得られる指揮官殿像が良かった。
仮面の男がクラウスとして生きていくことは出来なかったのかなぁとも思ったのですが、たぶん出来なかったのだろうなと最後のMOTHER3ロゴを見て思いました。
放っておけば1章の時点で孤独に消えていってただろう命と思うとラストバトルは悲観するばかりのものでもないのかもしれない・・けど。
ありがとうもごめんなも正直重すぎたよ・・。あ、やばい・・泣く。

◆ポーキーさまのお話。
一番他のプレイヤーさんたちの感想が気になるのはこのお方について。
2をプレイした人の目にはどう映ったのか、2をプレイしていない人の目にはどう映ったのか、気になります。
2から通してプレイしていると、ネスを偲ばせる思い出の品々が無性にむなしく悲しい・・。
振り返ってみると『ともだちのヨーヨー』を勝手に持ち出しちゃったことだけは、彼に対して本気で申し訳ないと思いましたです。
彼の結末には同情したくないと思いつつも同情しちゃうんですよね・・・。
憎むべき黒幕なのに、憎みきれないもどかしさ。
END?時のポーキーと思われる物体には不覚にも泣かされました。

◆世界観のお話。
設定上仕方がないとはいえ、舞台が狭いのはちょっと寂しかったです。行きたい場所へ自由に行き来できないのも寂しい。
この辺は1・2の自由度が高かったからでしょうね。
1・2は現実っぽい舞台設定の中で空想世界にありがちな世界観を皮肉ったり茶化したりしていたのがシュールで面白かったですが、今回の世界観はまったくその逆の印象を受けました。ファンタジーな世界観なのに妙なとこリアルで生々しい・・みたいな。
そこがまた面白可笑しかったり、時に浅ましく感じたり、なんとなーく空恐ろしかったり、疑問を抱いてしまうことに疑問を抱いたり。
1・2とは方向性が違うけど、3の世界観も3の世界観で面白かったなぁーと思います。
でも3の世界はエンディング後からが本当の始まりなんでしょうね。
ハミングバードの卵はどうなったのかな・・。
マザー3名物タネヒネリ島はなんでかムーンサイドの亜種というよりマジカントの亜種というイメージ。
「とりかえっこ」や「なぐってやる」はリュカ自身が生み出した幻影と思うと怖いより悲しい。
どちらかというと最終盤のニューポークシティのがムーンサイドっぽい怖さがあったような。
あと、どせいさんやばかった。なんだあのかわいさ。

◆お話と世界観以外のお話。
2からの継承システムですが、回転ドラム式HPメーターは単純ながら面白いシステムだと思います。
サウンドバトルは上手くいくと楽しいですが、なかなか判定がシビアでした・・。
出来ない曲はまったく出来ない・・。
ヒットの出しやすさはボニー>ダスター>クマトラ>リュカ。
相変わらず他のタイトルに比べてほいほい全滅を味わいましたが、カエルが多かったので不便さはほとんど感じませんでした。
仲間がひとりふたりしかいない時期と敵が上位特技を使い出す終盤がなかなかきつかった・・。
結界トリオの攻撃の凶悪さは2のクラーケンを思い出しました。
某赤くて口のでっかいキマイラにはぎゃふんとしかいえなかった。
音楽については1・2のように曲そのものが際立っているという印象はあまりありませんでしたが、舞台や場面の雰囲気によくあっていて馴染みやすかったです。
1・2の曲のメロディーや雰囲気を引き継いだ曲もあって嬉しかったです。16メロディーズは泣いた。
映像にも満足してます。なぜだか安心するドット絵。
貴重品アイテムが別枠になったこと、地図が入手できることなどは個人的に随分とありがたかったですし、1・2よりチェックできるものが増えていた(気がする)ことや敵の情報をまとめたアイテムができたことなども地味に楽しかったです。
ゲーム性では2より随分とシンプルになっていて寂しいところもありますが、その分シナリオは厚くなっていたのでまぁ良し。
システム的に不満らしい不満があるとすれば、PSI取得前に強制でダッシュが禁じられることでしょうか・・。
ダッシュの仕方はワイルドアームズが懐かしくなりました(笑)。

まだまだ語り足りないのですが、きりがないので今回はこの辺にします・・。
P様倒したあとの最終セーブデータ
プレイ時間:31時間
レベル:リュカ58・クマトラ58・ダスター57・ボニー58
好きな献立:シチュー
カッコイイとおもうもの:ミラクル